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この国のピクニックのかたち 

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ホテルのパンフレットから絵を借りました

ピクニックバスケットです。4人分がセットされ料理飲み物用の魔法瓶もあります。
02年7月記
 御主人の転勤で日本に帰られる友人の送別会にバラ園でのピクニックを5月末日に催しました。会場はPOLESDEN LACEY(ポールズデンレーシー)で、2002年に亡くなられたクイーンマザーがジョージ6世とハネムーンを過されたことでも有名です。見渡す限り緑一杯の丘陵地に建つ優雅な館です。
 ピクニックというのですからお弁当を外で食べるだけのことなのですが、庭園の芝生にピクニック用バスケットを運び、セットされた食器をとりだして御馳走を並べるそれは、とてもゴージャスな感じがします。たくさんの人たちがそれぞれお弁当をひろげていてもお隣がずーっと向こうですから一向に気にならないのです。
 残念ながらその方の帰国の日程の都合上バラの開花にはちょっとはやかったのですが、持参のテーブルをひろげてレースのクロスをかけ、5種類のお料理に飲み物、最後のデザートは盛りのイチゴクリームでしめくくりました。食後は庭園や邸宅拝見で、ちょうど良い腹ごなしです。
 このときはランチでしたが、拙著ではグラインドボーンのオペラの幕間にとる夕食を紹介しました。その幕間は、飲み物や食事をゆっくり楽しみ庭の散歩もできるように80分あります。
 夏の野外コンサートとしてしられるケンウッド(注1)でも生の演奏を聴きながら食事をしワインを楽しみます。この場合はかなり混みあった環境です。
 英国に旅行で来た場合の例として、ここにクリブデン(Cliveden)という由緒あるホテル(注2)のパンフがありますが、テームズ河クルーズとセットでピクニックを頼む事も出来ますよとその写真がでています。この写真は敷物を芝生に広げていますが、テーブルと椅子にしろどちらも大空の元、緑の海にたゆたっていただく食事はまた格別のものです。
 日光が輝く夏場はこのようなピクニックが盛んで、お金をかけてもかけなくても緑に染まったような風に吹かれて摂る食事はいかにも人生を楽しんでいるという気がします。


注1 ロンドンの中心から少し北よりのハムステッドの緑の森の中で催される夏の風物詩。 かなりの人数が集まります。
注2 歴史上有名な王族貴族にゆかりにあるロンドン西バークシャーにあるホテル。各部屋にはそれぞれ執事家政婦男女の従僕の最低4人のスタッフが待機しています。一般の日本人には執事を侍らすこともないので、ここへの滞在はいい体験になるかも?
 お値段もそれなりで1996年の古い資料ですが、宿泊すると1泊5万から10万円以上という桁で、クルーズとピクニックがいくらかかるかはちょっと手元の資料ではわかりません。



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