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老後の住み家の選び方(身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ)

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 いろいろのしがらみから解放された老後になったら、どんな所に住むか選ぶ自由を与えられることがあります。私たちもいざ英国から本帰国する段になってみると、渡英前に自分たちで建てて住んでいた横浜とあるじの故郷福岡の2つの選択肢がありました。
私が決断したのは、決して住まないと思っていた福岡でした。あるじがすぐに生き生きと暮らせる方はどちらか、の視点にたって選んだのです。
 私が育ったのも子供たちや兄弟友人がいるのも東京とその近辺ですので、そこを捨てるのは忍び難い気持ちがありました。ところが夫にとっての横浜の家は会社通勤で寝に帰るだけでしたから、私と逆に周りには友人知人のいない場所だったのです。私は“我”を捨てて夫優先にすることを選びました。後になってみるとやはりこの判断は正しかったようす。
 「ここに住むと決めたのはガーデニングが出来るからですか?」
 私が庭を楽しんでいるのを見た夫の友人は、新天地を選んだ理由をそのように考えたようです。しかしそれが決め手では無く、結果だと知って、こうのたまいました。
 「それは愛ターンですね」
と言う訳で、私の I ターンは愛ターンになりました。
 暮らし初めて早や6年、周りの方々の愛情と親切に満ちた応援を得て、蚊と夏の猛暑を除けば、まるでロンドンにいるようだと思えるくらい生活を楽しめる環境です。それはきっと大きすぎない都会福岡に隣接しており、たっぷりの自然に囲まれているし、未知だった所を知る喜びも与えられたからでしょう。
 自分にしがみつき過ぎないでよかったと思います。人に譲ることもよいものです。
 “身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ”を体感している日々です。



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福岡県