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東京五輪の食にメダリストたちがNO!

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週刊朝日 2018年12月7日号

 やっぱり。
 その記事を見て私はそう思いました。歯医者さんの待ち時間での話です。

自由を奪われた鶏や豚の肉が人に及ぼすリスク
抗生物質が効かない「薬物耐性」の恐怖
リオ、ロンドンでできて東京では「できない」

『2020年東京五輪で選手に提供される食材の調達をめぐり、世界のメダリストたちが大会組織委や東京都に抗議をしている。いったい何がおきているのか』

 本分の前にあるこの文の他に写真とその説明があります。
 写真1 身動きをとりにくいバタリーケージで飼われる鶏
 写真2 妊娠ストールという檻で拘束された豚=いずれも認定NPO法人アニマルライツセンター提供

 日本では、地面をつついて餌を探し、砂浴びをして寄生虫を落としたり、自由に動き回れる健康的な環境で育つ鶏や、妊娠ストールフリーの豚肉を提供できそうにないようで、そのことについて誌には詳しく書いてありますが、その内容は、蜂のところでご紹介した『ファーマゲドン』に載っていたものとすっかり一致していました。
 身動きできないサイズのケージに押し込められてひたすらエサを強要され卵を産む機械となり、その挙句に極めて短い一生で処分されるニワトリ。
 妊娠したら出産までの115日間動けない檻に閉じ込められる母豚。骨と筋力が低下して病気にかかりやすく、異常行動もでてくる。
 生産性や効率を重視するので無理に早く成長させるホルモンや病気にかかる前にあらかじめ多種多様な薬剤を投入している事。
 そのために抗菌薬や抗ウィルス薬が効きにくい又は効かない薬物耐性のウィルスが増えて、それが起こす病気の蔓延がいつか起こって恐ろしい死者が出るのではないかと恐れられている事。
 トリも豚も牛も生き物として認められずに卵や食肉を生産する物の様な取扱いをしているのが工場型農業システムであり、日本の畜産業がもはや牧場で草を喰むような、ストレスのない環境でおこなわれることは出来ない相談になっています。幸福な環境で育てられた動物の肉が、人間のとるべき食材の筈なのに、です。
 週刊朝日には、『日本の生産方法は、欧米、インド、南アフリカなどで次々に廃止された』とありますが、日本ではそうはいかないようです。
 私は昨年(2018年)北海道を旅行したのですが、車窓から牛がのんびりと草をはみ、反芻している姿のある牧場がほとんど見当たらなかったのは、このようなことだったのです。そのかわりに温暖化や品種改良のおかげで育てられるようになったコメの育つ田んぼがあちらにもこちらにも見られました。

 近所のスーパーで、『平飼いで、非遺伝子組み換えのトウモロコシを主原料の手作りのエサを与えている』というふれこみの卵を見つけました。6個入りで378円と(外税)とほかのものに比べて高価ですが、この値を出せば自由に動きまわれてアニマルウェルフェアの考え方を満たした水準の卵を入手できるということです。
 この近所のスーパーでは、餌にまで言及している卵はこの商品だけです。



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