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驚きの“挿し木病”

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ピンクは1番大きく育ち、直径なんと1メートルになりました。

一株は玄関に植えました。
 すぐご近所の方と親しくなりました。ルリ子さんです。“花より団子”でいた私と違って、彼女は寄せ植えに熱心で、庭にも花をいっぱい咲かせています。
 このコロナ禍の2020年からずっと外に出かけることが非常に少なくなって、庭仕事の内容が変わりました。以前は食べられる野菜育てで手いっぱいだったのですが、ようやく花壇の方にも目を向け始めました。たまたま始まったルリ子さんとの交流で、余計に花に気が向いてゆきました。
 そして彼女の病気を発見したのです。季節や種類などに関係なく、「花が折れたらすぐ挿してしまう」という“挿し木病”です。私は素直な性格なので、ものの本に、「挿し木は梅雨時です」とか書いてあると、その通りにするものだと思っていました。それ以外に挿しても成功なんてしないと思い込んでいたのです。
 それがなんとしたことか、
  このマーガレットもそうよ
  このバラもそうよ
 と、そこいらに混じっている花が季節などお構いなしに切ったらすぐに挿して成功したというのです。それは、私にとってまさしく青天の霹靂でした。
 そのようにして、彼女から挿し木でついた3本のマーガレットをいただきました。それは2020年の10月の事でしたが、挿し木用のポットに植えてあったのを地におろしました。どれも庭にじかに植えたので、ポットと違って立派なサイズの株になりました。今年の2月下旬には花を見せ始めました。
 また、マーガレットを移植した日に、買って間もないヘレニウム:ダコタゴールド(Helenium amarum)を、私も真似して試しに挿してみました。秋に購入したのによくよくラベルを見ると、“非耐寒性1年草”とあってこれは先の短い花を買ってしまったとおもい、ましてや時季外れに挿し木したって先は無いと思いつつ、彼女をまねてやってみたのです。
 結果は“驚き”でした。3月初めの今、苗のサイズは小さいですがポットの下からは元気のよい根がはみ出てきています。実はこの苗は挿し木床から一度鉢上げしたのですが、またもう一ランク大きな鉢に植え替えるときのようです。おまけに元の株も元気にしているのだからすばらしいものです。なにしろ非耐寒性1年草というのですから、もたなくても元々と思いつつ、できる限り手を掛けました。根元には暖かく過ごせるようにわらをしき、そして寒気の強い夜はポットをかぶせて防寒対策をしっかりしました。それにしてもねえ! 園芸店で1年草と言っても植物学的にはそうでない場合はしばしばありますが、まずラベルを信じますよね。寒かった冬を越してつぼみを付けているのを見るのは、何ともうれしい事になりました。
 ところでちょうど今、盛りと咲いているハーデンベルギアがすばらしいのですが、
 「この花、突然枯れることがあるのよね」
と、ある方に言われて私はひっくり返る思いです。何メートルもの生垣に仕立てるのにかかった時間を思って、もし枯れてしまったらと想像しただけで胸がつぶれそうです。そこで出てきたのが、
 そうだ!
 もう少し暖かくなったら挿し木をするぞううう!
 そうして万一に備えるのだ、という強い決意でした。私にもルリ子さんの“挿し木病”がしっかり移ったのです。
 いくら私でもまだ彼女ほど重症ではなく時期お構いマシというほどではないので、桜が咲く頃にはきっといろいろ挿すことでしょう。考えただけで胸がわくわくしてきます。間違いありません。私も立派な病人になりました。
 庭の写真のそばにきいろの花が見えていますが、ダコタゴールドです。
 2021/11/04



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